超マニアック投稿ですが、これは皆さんの生活に直結することなので出来るだけわかりやすく書きます。
日銀は、これまで住宅ローンなどの金利の目安となる国の借金の10年物金利を0.25%に抑え込んでいたのですが、今日の会合でこの上限幅を0.5%に変更しました。
これまでの経緯から説明します。
デフレといって物の価格が下がっていく状況だと、お金の価値が相対的に上がることになるので、社会にお金が回らない状況が続いてデフレスパイラル不況が続いていました。
ずっとデフレから抜け出せなかった日本経済を立て直すために、安倍政権が打ち出したのが、アベノミクス金融緩和でデフレ脱却のために物価目標2%を打ち出されたのが約10年前のことです。
「物価が年に2%上がる」=「お金の価値が年に2%下がる」ってことで、お金の価値を下げる政策がはじまりました。
当時の目標は、2年で必ず達成すると言っていたのですが、2022年3月までは達成でず、その間にやっていたのが、政府の借金を日銀がお札を刷って引き受けるという流れです。
この間に750兆円だった国の借金は、1043兆円に。
で、ようやくようやく、インフレ率が2%を超えたのが、今年の4月。理由は、皮肉にもウクライナ侵攻による原油とか穀物の高騰でした。
この間、世界中でインフレを退治するために協調して利上げを実施。
日本は、政府債務が膨大すぎて、利上げしてしまうと国の利払い金が増大するので簡単には利上げできず、賃金が上がってないことを理由にして、物価目標2%を達成しているのに10月の会合でも無策を貫きました。
これが、日本と他の国の金利差を生むことになって、例えば米国の金利が4%になっても日本は、0.25%に抑え込む状況が続き、ドル円が150円を突破。
日本は、原油や食品を輸入に頼るから、さらにインフレが加速し、電気代が上がったり、色んなものの仕入れコストが上がるような状況に陥って、負債で補助金をバラまくというさらに金利が上げられないようなスパイラルに陥ろうとしていました。
で、電撃的に今日やったのが、10年物の金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げるという策です。これによって、ドル円は一気に円高に傾きました。
来年の4月に任務から外れる黒田総裁の英断だったと思います。
そしてそして、ここから重要なのが、今後の金融政策と、その金利が上がることへの影響です。
黒田総裁は、今後も金融緩和を続けると会見で言っていましたが、債券市場では金利が上がることを催促するような債券売りが出てくるだろうと見ています。
何が書きたいかというと、日銀の思惑通りにはいかず、金利を抑え続けることがより困難になっていくということです。
これは、数か月後から皆さんの住宅ローンにも直結することになり、国とか地方自治体は、利払い金が今後上昇していくことになりますの。
で、住宅ローンを持っている方は、出来るだけ固定金利期間を長めに設定と元金固定に変更したがいいです。日本人の7割が変動金利、9割以上が元金固定ではなく元利固定にしていると言われています。
今日の金融政策の変更は、一活性ではなく、これからのトレンドになるからです。
次に、直接的な影響がないと持っている人が多い国とか自治体の負債ですが、ここの利払い金が増えると、住民サービスを引き下げるか子や孫の世代の将来世代にツケを廻すことになりかねません。
だからこそ、今のうちに行財政改革が絶対に必要です。
例えば、1%の金利上昇でも1000兆円の1%は、10兆円の負担増になります。生まれたばかりの赤ちゃんも含めて、国民一人当たり83000円くらいってこと。
例えば福岡市の市債でいうと、約1兆円あるので、1%なら支払う利息が年間100億円増えるってことになります。
これには、実はカラクリがあって、5年債、10年債、20年債みたいな年限といって返す時期の異なる市債を発行していて、基本的に借り換えで運用してくことをやっているので、ここをグッと押させていくためには、市が「年限マネジメント」をする必要があるのです。
福岡市は、まだ外部有識者による年限マネジメントが出来ていなくて、金融機関主導に近いところがって、この辺は額が額なだけに、福岡市議会でしっかり議論して欲しいと思っているところです。
来年の通常国会でもこの年限マネジメントと、金融政策の出口を含む戦略の議論を。
ってマニアックな投稿でした。シェアしていただいて、多くの方に読んでいただけたらと思います。
この記事へのコメントはありません。