~子育てとXでの気づきから~
2人の子どもを育てる中で、ある小さな違和感に気づきました。
それは、学校で購入が求められる彫刻刀や算数セットといった学用品のことです。
たとえば彫刻刀。
「男の子用」「女の子用」と色分けされていて、おさがりを嫌がる子が多い。
実際、わが家でも上の子の彫刻刀を、下の子が「色がイヤ」と拒否する場面がありました。
しかも、使用するのは限られた期間だけ。使い終われば、引き出しの奥に眠ったままになります。
「これ、本当に“全員が私物で買う”必要があるのかな?」
そんな疑問を抱いていたとき、X(旧Twitter)で東京都町田市の矢口まゆ市議の投稿に出会いました。
彼女は「彫刻刀や算数セットは学校の備品として共用化すべき」と問題提起しており、その視点に私は大きく共感しました。
ちなみに、福岡市の中学校制服は共通化されており、コスト意識をもった制度運用がなされています。
この点は、他都市と比べても評価できる部分です。
しかし、学用品の取り扱いについてはどうでしょうか。
「全員購入が当たり前」「私物として管理」が前提になっている状況は、依然として続いています。
これは、家庭の金銭的な負担だけでなく、行政側の“コスト感覚の欠如”の表れでもあると私は感じています。
いま、全国的に「学用品や制服の無償化を求める声」が高まっています。
もちろん、家庭の負担軽減は重要な視点です。
しかしその前に、私はこう問いかけたいのです。
「そもそもその学用品、本当に“全員購入”が必要ですか?」
誰かの負担を公費に置き換えるだけでは、持続可能な制度にはなりません。
必要なのは、支出そのものを見直すこと。
そのために必要なのが、まさにビジネス感覚です。
ビジネスの世界では、「ムダなコストを削減する」「共通化してコストダウンする」「必要に応じてレンタルやシェアに切り替える」といった判断はごく当然のことです。
ところが、政治の現場ではどうでしょうか。
私は率直に感じています。
市議会に“起業家”出身の議員が圧倒的に少ないため、こうしたビジネス感覚での議論が極めて乏しいのではないかと。
現場の課題に“経営視点”を持ち込む人材が足りていないことで、見直されるべき制度や支出が、慣例のまま放置されていると感じる場面が多々あります。
さらに言えば、国もすでに方向性を示しています。
彫刻刀や鍵盤ハーモニカ、裁縫セット、算数セットに入っているおはじき等は、“学校で備えるべきもの”として地方財政措置の対象になっていると読み取れます。
にもかかわらず、現場ではそれらが保護者の私費負担で購入されているケースが多いのが実態です。
これは、国と自治体の間で制度運用のギャップがあるという証拠でもあります。
まずはそのズレを見直し、「公的に備えられるものは、自治体が備える」という発想に切り替えること。
そしてそれを、現実の政策として実行に移すことが、今の地方政治に求められています。
こうした課題にしっかりと向き合い、福岡市でも持続可能な教育環境と家計支援の両立を図るために、私はこの視点を、次期市議選の公約に盛り込み、具体的な改革提案として取り組んでいきたいと考えています。
皆さんのご意見をお聞かせください。

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