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福岡県議会海外視察問題から問う、「公」の精神の欠如

福岡県議会海外視察

ここ福岡でも連日のように報道され、強い批判を浴びている県議会の高額海外視察問題。報道等で詳細が明らかになるにつれ、その手法の姑息さと、当事者たちの意識の低さに強い憤りを覚えています。

2024年1月から2025年11月までの海外視察16件において、競争入札を避けるために当初の予定価格をわざと「99万円」などの少額に設定して随意契約を結び、その後にハワイ視察では約8倍の769万円、南アフリカ視察では約10倍の916万円へと大幅に増額させていたという事実。

福岡県議会海外出張

(※西日本新聞より画像引用)

さらに呆れるのは、こうした「法の抜け道」を悪用したような契約手法に対し、知事や県議会、県庁職員から「手続き上、法的に問題ない」という自己弁護が繰り返されていることです。

彼らの言葉に決定的に欠落しているもの。それは、県民の血税を預かる者としての**「公(パブリック)」の精神**に他なりません。

「法」と「公」は違う

私はこれまで約9年間、保護司として地域の方々と向き合ってきました。その活動の中で日々痛感するのは、社会や地域というものは決して「法律」や「制度」だけで回っているわけではないということです。

法はあくまで最低限のルールに過ぎません。本当に地域を支え、人を支えているのは、「社会全体にとってこれは正しいことか」「公共の良俗に反していないか」と自問自答できる、一人ひとりの「公(パブリック)」の良識です。

日本では古くから、「公(おおやけ)」といえば「お上(政府・役所)」のことを指してきました。しかし、英語の「パブリック」は本来、市民一人ひとりが主体となって作り上げる「公共の場や精神」を意味します。「官から民へ」というスローガンがもてはやされた時期もありましたが、そのキャッチコピーの本当の恐ろしさは、そこにこの「公(パブリック)」がすっぽりと抜け落ちていたことです。

この「公」の意識が絶望的に欠けているからこそ、巷では自分の権利ばかりを主張するゴネ得が横行し、公僕たる官僚や地方議員も公を忘れ、「法的にセーフなら何をしてもいい」「自分の身と権限を守れればいい」という保身しか頭になくなるのです。

「経営感覚」なき「公」の奉仕者

今回の問題を見て、もう一つ強く感じるのは、政治家や行政側に「経営感覚」や「ビジネス感覚」が致命的に欠けているという点です。

ビジネスの世界であれば、当初の予算を10倍にまで膨らませるような計画は、その正当性が厳しく問われ、結果が出せなければ責任を負うのが当然です。それは「コスト意識」であり、「リソースの最適化」であり、そして「結果に対する説明責任」です。

しかし、今回の福岡県議会の対応は、その真逆です。予算を「血税」として重く受け止め、限られたリソースでいかに最大の効果を生み出すかという発想が、彼らからは全く感じられません。当初の予算設定が形骸化し、後からいくらでも増額できるという甘えは、ビジネスではあり得ない「無責任経営」そのものです。

「公」の奉仕者こそ、ビジネス感覚を持つべきです。それは単に「儲ける」ことではなく、預かったリソースをいかに効率的に、そして「公」のために役立てるかという、結果に対する誠実さのことです。この感覚の欠如が、「公の精神」の欠如を、より具体的なコスト増という形で露呈させたのだと感じます。

「公の器」を忘れた社会の末路

公共の電波を使っているマスメディアも同様だと感じます。ある時は特定の人物を「時代の改革の旗手」として無責任に持ち上げ、いざ問題が起きれば一転してヘリコプターまで飛ばしてバッシング報道を過熱させる。普通の良識があればその手のひら返しを異常だと気づくはずですが、そうならないのは彼らにも「公の器」としての責任感が全く欠けているからです。

翻って、今回の福岡県議会の問題です。

(※西日本新聞より画像引用)

「法的に問題ない」と胸を張る前に、自らが「公」の奉仕者であることを思い出すべきではないでしょうか。姑息な手段で予算を膨らませ、後から批判されたら「ルールは見直す」と取り繕いながら随意契約自体は続ける。このような姿勢で、どうして県民の信頼を得られるというのでしょうか。

福岡の未来のために、これを他山の石とする

私は今、地元である早良区から、来年春の福岡市議会議員選挙への挑戦に向けて皆さまの声を聴く活動を進めています。その根底にあるのは、まさにこうした「公」を忘れた政治や行政のあり方に対する強い危機感です。

公(パブリック)は、官(システム)よりも民(私益)よりも優先されるべき大切な基本です。過去の数々の失敗や、今回の県議会の無責任な姿を「他山の石」とし、私たち一人ひとりが、法律を超えた「公」の精神を取り戻さなければなりません。

福岡を、そして早良区を、真の意味で「パブリック」な精神が根付く街にしていく。そのために、私自身もいまいちど原点に立ち返り、行動を続けていきたいと強く思っています。

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