壮一郎オフィシャルブログ

1ドル=147.67円で32年ぶりの円安!

「1ドル=147.67円で32年ぶりの円安!」って見出しのマニアックな話ですみません。

ただ、物価上がるし、生活につながる話だから、真面目に書きます。

いま、先日の円安対策で行った政府介入以来の水準をさらに更新しています。

この円安は、輸入する物の価格を押し上げて、物価高の要因にもなっています。今日の朝発表された企業物価指数は、前年同期比で9.7%も上昇しています。

上昇率は、電力・都市ガス・水道が38.8%、鉄鋼が26.1%、石油・石炭製品が14.7%も上昇しました。

何となく将来世代の借金増やして、補助金ってカタチで抑えているのですが、顕著に出ています。

で、生活に直結する原材料価格の高騰について、飲食料品は、6.4%上昇し、消費者に近い品目にも波及しています。

また、急速に進む円安も輸入品の価格上昇に拍車をかけていて、今後、家計を一段と圧迫する可能性があります!

で、ぼくが書きたいのは、この構造についてなんです。

ぼくは、何度も指摘させていただいていますが、物価高や円安時の対策は、世界と乖離した日本の金融政策が要因で、いま日本がやるべき補助金ではない施策について。

別にこの投稿に政治的な意図はないのですが、単純に金融マンとして危機感を覚えています。

現在の円安の要因は、世界各国がインフレを退治するために、「痛みを伴っても需要をぶっ壊す」という金利の引き上げを行っています。で、日本は、金利を上げることなく低金利を続ける表明をして、低金利を実行しているので、例えば日本とアメリカの金利差が拡大しています。

この金利差の拡大が、低金利の日本で資金調達して(円を売って)、金利が高いところで運用する(例えばアメリカ国債を買うためにドル買い)だけで利ザヤが稼げるという状況をつくっています。

じゃ、日本も金利を上げればいいじゃんってなりますよね?

しかしそう簡単にはいかない現実があります。

日銀は、2%物価が上がるまでは、金利を上げないって言っていたのですが、企業物価が9.7%あげても金利を上げられない状況です。理由は、政府債務の額がデカすぎるから。

マニアックすぎてすみません。

アベノミクスで、実質的なMMTを実行した結果、異次元緩和で500兆円超の国債を日銀が保有してしまった結果、金利が上がると、国債価格が下がる構図。

つまりは、日銀が保有する国債の含み損(損失拡大)で、日銀の信認下落となるという実質上の債務超過で、さらに円安要因となるスパイラル。

次に、ここが問題なのが、政府の国債元利払いが上昇すること。例えば、1%の金利上昇で1年目0.8兆円、2年目2兆円、3年目3.7兆円の負担増となって、10年後には10兆円の負担増で、税収が利払いに吹っ飛ぶということ。

で、批判ばかり書いても仕方ないので、対策を書きます。

そもそも、アベノミクスの「異次元緩和」と同時にやるべきであったのは、「第3の矢」(成長戦略)をもっとやること。アベノミクスの中途半端さが財政だけに負担をかけたのは明白で、アベノミクスそのものを批判すべきでなく、もっと規制緩和という第3の矢をやるべきということ。

今やるべきは、規制緩和による成長戦略です!カンタンに書いていますが、しがらみなく聖域なく、政治がやるべきことなんです。だから、ぼくに使命感があって、何かやりたいって。

そして、少々の痛みを伴っても、金融政策のフォワードガイダンスといって明確な金融政策の方針転換する意思表示が必要であると感じています。ただ、一気にやると、先月末の英国の金利暴騰のようになるので、市場との対話が必要です。

マニアックすぎてごめんなさい。ただ、このまま放置で後手後手のままでいいと思わず、マニアックですが、シェアしたい状況でして。おやすみなさい。

生活に密着した議論を出来る為政者になれるように頑張ります。

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